元種作りのポイントとチェック方法

元種を作る上で重要な「二つのポイント」とは

パン作りでは元種に小麦粉や水分、塩分などを加えていきながら、少しずつ種を増やしていきます。継ぎ足して発行させた最初の種が1番種で、次から順次2番種、3番種と続いていきます。

多くの場合は3〜4番種あたりでパンの発酵種として使うようにする場合がほとんどです。ただし「使えるようになる」には、次の2つの条件をクリアしていなければなりません。

1つ目は、パン生地を膨らませるだけの発酵力がついたかどうかという点。2つ目は、人体に有害な微生物が死滅しているかどうかという点です。特に2つ目については、クリアされていないと当たり前のことですが「食べ物」として提供できません。したがってこの項目については厳重にチェックする必要があります。

天然酵母はカビなどと同じように微生物である酵母を培養して、パンの発酵に利用するものです。微生物の中には人体に有害となるものも含まれていますが、そうした微生物は、本来は何度も発酵を繰り返すことによって死滅していく場合が多いのです。しかし人の目に見えないだけに、安全であるか慎重に慎重を重ねてチェックする必要があります。

その方法としては、嗅覚と味覚でチェックする方法があります。鼻を近づけてみて、カビ臭かったり腐敗臭があったり、ツンと刺すような強烈な刺激臭がある場合、少量を味わってみて吐き出したくなる味の場合は雑菌が繁殖してしまっているので破棄するようにします。

初心者の人がチェックできる方法 PH値

また、目で確認できて慣れない初心者にも有効な方法が、発酵の各段階でPH値を測定する作業です。PH値とは、水素イオン濃度を表す数値のことです。PH7が中性で、7より大きければアルカリ性、小さければ小さいほど酸性となります。パン生地に使う場合は、最終的に4.7以下になっていれば有害な微生物は死滅していると判断していいようです。ただ、発酵の各段階でも確認することをオススメします。

各段階のPH値の目安は、レーズンを使った場合では元種の発酵が終わった段階で3.93、1番種で4.66、3番種で4.53。レーズン以外のドライフルーツを使う場合も、この数値を目安にしながら、最終的に4.50になるようにすると良いでしょう。

ただしライ麦を使った場合のPH値は、これとかなり異なるので注意が必要です。ライ麦の場合の目安は元種で6.30、1番種で4.70、2番種で4.20、3番種で4.10、4番種で3.90、最終的に目指すPH値は、3.90〜4.00です。

これらの数値は下の表にまとめたのでチェックする際の参考して下さい。

発酵の各段階のPH値の目安
レーズン種 ライ麦種
元種 3.93 6.30
1番種 4.66 4.70
2番種 4.56 4.20
3番種 4.53 4.10
4番種 - 3.90
最終(パン生地使用時) 4.50 3.90〜4.00

このPH値を測定する器具は比較的安価で購入できます。何より、自分の目で安全を確認できる点が安心ですね。昨今のO-157を例にとってもわかるように、食品の衛生管理は季節に関係ないことが多いです。安心できる食べ物として天然酵母パンを作る上からも、元種のチェックは十分注意しましょう。

その他、種作り段階での注意点としては、温室で放置して発酵させる際には、容易にラップをかけて小さな穴を数箇所あけておくことが挙げられます。ラップをかけるのは、酵母自体の乾燥を防ぐためです。また穴をあけるのは、酵母に酸素を与えるためです。