イーストと天然酵母の違い

イーストと違うのは「今どのような発酵状態なのか」を見極めること

天然酵母パンを作る時、最も重要なプロセスが「酵母による発酵」というプロセスです。

一般家庭で広く利用されるイーストは発酵力が強く安定しているため、パン作りにおける最大の関心事は「発酵が終了したかどうか」にあるのですが、天然酵母の場合は「今、どのような発酵状態にあるのか」というプロセスそのものを経験と観察によって判断する事がとても大切なのです。天然酵母を使ったパン作りは、酵母というまさに「生き物」と対峙している感覚がより強くなるのではないでしょうか。また、それが天然酵母を使ったパン作りの楽しさのひとつでもあります。

酵母は、微生物の働きでブドウ糖を分解してアルコールと炭酸ガスを生じさせながら増殖します。発酵してパンが膨らむのは、発酵の際に酵母が作り出した炭酸ガスによるものです。こうしたことから考えると、無数にある酵母の中でもパン酵母の持つ特性は、炭酸ガスを多く、しかも比較的安定して高い能力で発生させる性質を持つ酵母ということが言えます。

さらに、それら酵母が生み出してくれたアルコールと炭酸ガスが結合することで、非常に良いパンの風味が生まれます。

生成されるアルコールや炭酸ガスは酵母によって差があり、当然ながら、仕上がりのパンの風味も酵母の種類によって異なってきます。