様々な酵母種と特徴

複合酵母は沢山の酵母の組み合わせ

複合酵母」である天然酵母は、複数の酵母菌の組み合わせによって多くの個性が生み出せます。酵母を培養する原料となる培地もさまざまで、何を使うかによっても出来上がりのパンの風味や質感がまったく違うものにできます。

天然酵母の培地として使われるものは、酵母の栄養となる糖質が多く含まれる果物、穀類、野菜などです。例えばりんご、ぶどう、小麦、ジャガイモなどです。世界各国ではさまざまな天然酵母が伝統的に使われており、国ごとの特徴が見られます。

例えばドイツやスイスで多く使われているのが、ライ麦や小麦を培地としたサワー種です。ヨーロッパでは伝統ある天然酵母として古くから親しまれています。この酵母を使うと、酸味が強いパンが出来上がります。中国では、パン種ではないですが饅頭を作るときに饅頭類が使われます。酒饅頭から生まれた日本の酒種も、この饅頭種の一種であると思われます。珍しいところでは、カラマツなどの落葉松の葉にとりつくドロジー種があります。主にロシアで古くからパン作りに利用されてきました。寒い国ならではの独特の酵母といえます。

それらの中でも主なものは果実種と、サワー種や饅頭種を含む穀物種です。以下でそれぞれの特徴を簡単に見てみましょう。

様々な酵母種とその特徴

生種の素材 酵母の名称 特徴
果実 果実種 新鮮な果物の表皮に自然に付着している酵母を利用したもの。ほのかな酸味とコクのある風味を作り出す。
穀物 ホップ種 受粉する前のホップの花を使う。実際はビール酵母を利用するケースが多い。じゃが芋と相性がよく、パンがよく膨らむ。また、油脂や砂糖の少ない生地に利用すると、より独特の風味が活きる。
サワー種 ライ麦粉に水などを加えてよくこね、粉に付着したり大気中に含まれている酵母、麹菌、乳酸菌、酢酸菌を培養したもの。独特の熟成された香りと酸味があり、風味が変わりにくい。
酒種 酒酵母の働きによって、甘酒のような甘い香りがするパンが出来上がる。発酵力が弱いのが欠点。